CADのファイル形式「DXFファイル」とは?DXFファイルのメリットとデメリットも解説!

  • 2023年11月3日
  • 2024年3月28日
  • コラム

CADを使い慣れている方は、「DXFファイル」という単語を聞いたことがある方も多いでしょう。しかし、これからCADを使う初心者にとっては、「どんなファイル形式?」となる方が多いのではないでしょうか。

今回は初心者向けにCADのファイル形式のDXFファイルとは何を指すのかについて紹介します。

CADを使いこなすにあたって必ず必要な知識になるため、基本を押さえて理解を深めたいと考えている方はぜひ参考にしてください。


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DXFファイルとは?どのようなファイルなのか

CAD DXFファイル

「DXFファイル(Drawing Exchange Format)」とは、Autodesk社がCADソフトで利用されている図面データのファイル形式のことです。CADを活用する業界ではスタンダードとして利用されている有名なファイルであり、必ず耳にするファイル形式となります。

また、Autodesk社は、建築業界で最も利用されている「AutoCAD」を開発している企業であり、そのソフトのファイル形式は「.dwg」となります。

「.dwg」のまま保存することももちろん可能ですが、あくまで保存のみであり、AutoCADをインストールしていないPCではデータを開くことができないのです。

そのため、AutoCADで作成した図面に関しては、データを共有し、開けるようにするためにDXFファイルとして保存するのが一般的となっています。

DXFファイルにすることで企業間でのデータ連携も可能にし、異なるCADソフトでもデータを確認することが可能になります。

必ずDXFファイルでなければならないのか

CADソフトのファイル形式については、DXFだけではなく幅広い種類が存在しています。そのため、「必ずしもDXFファイルにする必要はないのでは?」と思われる方も多いでしょう。

確かに同じCADソフトでデータを共有するケースでは問題ありませんが、必ずしも同じCADソフトを使用しているとは限りません。

例えば取引先によって別々のソフトを利用しているということもあるため、できれば互換性に優れたDXFファイルに変換しておくことで業務上でもスムーズな作業、データの共有を可能にできるでしょう。

DXFファイルのメリット

CAD DXFファイル メリット

DXFファイルがどのようなものなのか理解していただけたかと思いますが、ここからはDXFファイルを活用するメリットについて紹介します。

DXFファイルに料金は発生しない

DXFファイルはAutodesk社が開発したファイル形式であるため、「利用には料金が発生するのではないか?」と思われている方も多いでしょう。

しかし、DXFファイルはオープンソースとして提供されています。オープンソースとは、簡単に説明するとソフトウェアを構築しているプログラムを、無償で一般公開されている状態のことです。

つまりAutodesk社が無料で後悔しているのがDXFファイルとなるため、料金は発生せず無償で利用することができるのです。

無料であり、互換性の高いファイル形式がDXFとなるため、活用しない手はありません。

互換性の高さ

DXFファイルが最も活用されている理由の一つには、互換性の高さがあげられます。

通常であれば、同じCADソフトを使用してしてもバージョンが異なればファイルを開けない問題が発生することもありますし、ソフトが異なれば異なるファイル形式となり開くことができません。

しかし、DXFファイルを使えば、バージョンやソフトが異なってもデータ共有がスムーズに行えますし、不具合等も発生しにくくなります。

互換性の高さは他にはない大きなメリットとなるため、スムーズな作業を実現するためにも必要不可欠なファイル形式と言えるでしょう。

圧倒的なスケールのディテールを維持できる

DXFファイルは16ビット浮動小数点まで精度を拡大縮小することが可能になっているため、共有されたデータは常に鮮明な状態でチェックすることができます。

他のファイル形式であれば、図面を拡大縮小することでぼやけてしまい細部までチェックすることができないケースもあります。

鮮明さを維持できるのは効率よく作業を進めるためにも必須となるため、DXFファイルは多くの業界で選ばれているのです。

DXFファイルのデメリット

CAD DXFファイル メリット デメリット

DXFファイルにはさまざまなメリットがある反面、デメリットとなる部分も存在しています。どのようなデメリットがあるのか知りたい方は参考にしてください。

転送に時間がかかるケースがある

DXFファイル自体は、それほどサイズが大きなものではありません。そのため、データが重くて転送ができないといった不具合が発生することは少ないでしょう。

しかし、そもそもCADソフトで作成されるデザインやモデルは複雑であることも多々あります。

それらのデザインやモデルの転送に時間がかかることもあり、中にはエラーが発生して送れないケースも出てきます。

転送に時間がかかる程度であれば問題ありませんが、エラーが頻発する場合は圧縮するなどして工夫が必要になることもあります。

変換がうまくいかないケースもある

CADソフトが異なる状態でデータを転送する場合、すべてがうまく変換できるとは限りません。

例えば、図面内に文字が納まるように作図したにもかかわらず、作図した文字よりも大きく変換されてしまったり、逆に小さくなったりすることもあります。

うまく変換がされないと見映えも悪くなり、せっかく作ったのに実際のデータと異なることも少なくありません。

しかし、このような不具合が発生してしまうのは、当然の状況でもあるのは事実です。もともとDXFファイルというのは、AutoCADのバージョンが異なっても開くことができるよう開発された形式です。

基本的には異なるCADソフト間での共有は想定されていないため、このような不具合が生じるのは想定内ということになります。

そのため、異なるCADソフト間で利用はできるものの、完璧に連携できるわけではないことは頭に入れておきましょう。

DXF以外のファイル形式は何がある?

CAD DXFファイル 互換性 デメリット

DXFファイルは比較的互換性にも優れており、幅広い用途で活用できます。一方、連携がうまくいかないケースなど、デメリットがあるのも事実です。

この見出しでは、DXF以外のファイル形式についても知りたい方向けに、特徴などを紹介しているので参考にしてください。

DWG

DWGは、Autodesk社が開発したファイル形式で、主に2D画像と3D画像を保存するために作成されました。

用途が広く、DXFと同じくらいCADでは業界水準のファイルとして知られています。

DWGはDXFファイルに比べてサイズも小さく、データの容量を節約できるといったメリットもあります。

ただし、古いソフトではDWGが認識されなかった、ファイルを使用できないといったデメリットも多いため、共有等にはあまり向いていないのもデメリットとしてあげられます。


SOLIDWORKSは豊富なファイル形式に対応しています。詳細は以下の記事からご覧ください。

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JWW/JWC

JWW/JWCは、日本国内では高いシェアを誇るファイル形式です。両者の違いは、Windows版のファイル形式が「JWW」であり、それ以前のOS、DOS版から使われていたファイル形式が「JWC」です。

これらのファイル形式はDXFに変換しやすく、企業間でデータを共有したいときに便利です。しかし、文字化けや線が消えるなどの不具合もよく聞かれるため、必ずしもそのままのファイルを送れるとは限りません。

また、不具合を解消できる方法としては「DARE JW」という変換ソフトを利用することになりますが、こちらは無料ではなく有料となっています。

SFC・P21

JWW/JWCは、特定のソフトに備わったファイル形式となりますが、SFCやP21は異なるCAD間でデータの転送をするための中間ファイル形式と呼ばれているものです。

これらは国土交通省が主導となって開発されたファイル形式となっており、都道府県や市区町村に図面を納品する際にはよく「SFC」ファイル形式で提出を求められることも多いようです。

このように、ファイル形式はさまざまな種類があり、一つひとつ特徴が異なります。それぞれのファイルで得意なことが異なるため、CADを扱う方はできる限り幅広いファイル形式を知っておいた方がスムーズに変換、連携ができます。

特に異なるCADでのやり取りに役立つ知識となっておりますので、CADを活用しようと思われている方は事前に知っておきましょう。

DXFファイルを開く方法とは?

CAD DXFファイル 開き方

DXFファイルを開く方法にはさまざまな種類があります。比較的簡単にできますので、どのように開くのか気になっている方は参考にしてください。

そのまま開くなら無料のファイルビューアを利用する

DXFファイルを開き、中身を確認するだけであれば無料のビューワーソフトを利用することで簡単に開けます。Windowsの場合はAutodesk Viewerが無料の中でも一番便利です。

Autodesk ViewerでDXFファイルを開く場合には、「ファイル」を選択し、「開く」を選択します。ファイル形式ドロップダウンメニューから「DXF」を選択し、「開く」をクリックすれば無事に表示されます。

Office365を利用している場合

Office365を利用しているユーザーは、Microsoft VisioというOfficeソフトの利用がおすすめです。

Office365を利用しているユーザーであれば無料で利用できますし、他のソフトを探す必要もありません。

PDFで開きたい場合

上記の方法でDXFファイルを開いた後、DXFファイルを開く環境が整っていない場合は、PDFで保存しておきたいという方も多いでしょう。

開いた後は様々なファイル形式に変換することができ、PDFで保存ができます。PDFであればさまざまなソフトで開くことが可能になるため、DXFファイルを開く環境が整っていない方にはPDFでの保存もおすすめです。

まとめ

本記事では、CADのファイル形式であるDXFファイルについて詳しく紹介しました。DXFファイルは互換性に優れており、さまざまなCADソフトで活用できる魅力的なファイル形式です。

例えば企業間で使用しているCADソフトが異なるケースではスムーズなデータ連携や共有ができるため、知っておくととても便利なファイル形式となります。

また、DXFファイルには料金が発生せず、誰でも無料で利用することができる点も魅力の一つです。

特にどのようなCADでもデータを開くことができるファイル形式を知りたい方は、今回説明した内容も参考にし、実際に活用してみてください。


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