製造現場における設計から生産へのプロセスの中で、頻繁に課題となりやすいのが、設計データの不整合や変換エラーによる手戻りです。
企業が何かの設計データを作成する場合、関係者が複数存在するケースが多くなります。そのため、それぞれの関係者が同じCADソフトを使用しているとは限らないため、異なるCADソフトでのデータ交換などが必要になってくる機会も少なくありません。
そのため、データを設計からCAE・CAM・3Dプリンタといった下流工程への展開時、形状エラーや属性情報の欠落、形式の不一致などが発生する場合があり、そうなると手戻りになってしまいます。当然、手戻りになると業務効率が非常に悪くなってしまうため、企業の中には、この点に課題を抱えているところも少なくありません。そして、この手戻りリスクを解消するために、現在注目されているのがCADデータ品質検証ツールです。実際に、企業の中にはこれからCADデータ品質検証ツールの導入を検討している人もいるのではないでしょうか?
そこで、今回は代表的なCADデータ品質検証ツールを紹介した上で、そのツールの概要やメリットについて解説しますので、興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
CADジャンクションでは、補助金を活用したCADの導入支援を実施しています。申請手続きなどはCADジャンクションが代行するため、負担少なくさらに半額で導入できます。興味がある方は、下記からお気軽にご相談ください。
CAD間のデータ互換性に関する4つの問題とは

製造の現場では、異なるCADソフト同士のデータの受け渡しが頻繁に発生します。なぜなら、企業が扱う設計データは、多くの関係者がその仕事に携わるためです。しかし、CADソフトが異なる場合、CADデータの互換性に関するさまざまな問題が発生します。
そこで、まずはCAD間のデータ互換性に関する問題を4つ紹介しますので、実際にどのような課題があるのか把握しておきたいという方は、ぜひチェックしてみてください。
ファイル形式の違い
CADソフトは、それぞれの製品でファイル形式が異なり、データをやり取りする際にその点が問題となりやすいです。
CADソフトには、それぞれ独自のファイル形式が存在します。例えば、AutoCADの場合は「.dwg」、SolidWorksは「.sldprt」というように、使われているファイル形式が異なるのです。
各製品で扱われている独自のファイル形式は互換性が低く、異なるソフトで直接開こうとすると、正しく表示されなかったり、一部の情報が読み込めなかったりするケースが多くあります。そのため、共通フォーマットへの変換が必要となりますが、変換精度の問題や作業コストがかかるため、企業の中にはその点に課題を抱えるケースが多くなります。
ジオメトリの正確性の問題
そのほかの問題としては、ジオメトリの正確性が挙げられます。
CADデータをほかのソフトで使用するために変換した際、部品や製品の形状情報が正確に保たれない場合があります。特に、曲面や複雑な形状を含む3Dモデルでは、微小な隙間や面のずれが発生することがあり、解析や加工に使えない不完全なデータとなってしまうこともあります。これにより、設計のやり直しや修正作業が必要になるため、時間やコストがかかってしまう原因になるでしょう。
フィーチャー履歴の欠如
フィーチャー履歴の欠如もCAD間のデータ互換性に関する問題のひとつとして挙げられます。
パラメトリックモデリングを採用しているCADソフトでは、押し出し・穴あけ・フィレットなど、履歴に基づいた形状構築が基本です。しかし、異なるCADソフトにデータを変換すると、この履歴情報が失われ、単なる形状データとしてしか認識されなくなることが多いです。
これにより、設計変更や再編集が非常に困難となるため、最悪のケースでは再モデリングが必要になることもあります。
アセンブリ構造の問題
アセンブリ構造に関してもデータ変換をする際の懸念点として挙げられることが多いです。
複数の部品から構成されるアセンブリデータでは、各部品の配置や拘束条件が正確に定義されていますが、CAD間の変換時にこれらの情報が失われることがあります。その結果、アセンブリを開いたときに部品の位置がずれたり、構成が崩れたりすることがあり、組立性や設計意図が伝わらなくなる可能性があります。
特に、アセンブリ構造の問題は製造工程での不具合につながる可能性があるため、重大な課題として頭を抱える企業は少なくありません。
CAD間のデータ互換性に関する問題を解決する方法

このように、CAD間のデータ互換性に関する問題は複数あり、場合によっては企業にとって大きなリスクとなるケースもあります。そのため、設計データを扱う企業は、これらの問題を解決しておく必要があるでしょう。
この見出しでは、CAD間のデータ互換性に関する問題を解決する方法をいくつかピックアップしますので、ぜひ参考にしてください。
同じCADソフトを導入する
設計データを扱う関係者が同じCADソフトを使用することで、CAD間のデータ互換性の問題を解決することができます。
同じCADソフトを使用することで、外注先とのやり取りがスムーズになります。そのため、もっと理想的な解決方法といえるでしょう。
しかし、外注先が元々異なるCADソフトを使用して場合、こちら側が指定するCADソフトに買い替えてもらう必要があるため、外注費用とは別にコストが発生する可能性があります。状況によっては、コストの負担がかなり大きくなることもあるため、この方法が現実的ではない企業も少なくありません。
できるだけ互換性の高いファイル形式を使用する
やりとりするデータをできるだけ互換性の高いファイル形式に統一することで問題を解決できる可能性があります。
基本的にCADソフトは複数のファイル形式を扱えるケースが多く、より互換性の高いSTEPやIGESを使用することで、関係者とのデータのやり取りがスムーズになる場合があります。
しかし、完全にこの問題を解決することは難しいです。なぜなら、読み込み精度がソフトによって異なったり、フィーチャー履歴が引き継がれなかったりするからです。完全に互換性の問題が解決されるわけではないため、企業によってはこの方法を選択できないところも少なくないでしょう。
CADデータ品質検証データツールを導入する
CAD間のデータ互換性に関する問題を解決する方法としてもっともおすすめなのがCADデータ品質検証データツールの導入です。
CADデータ品質検証データツールは、CADで作成されたデータの品質をチェックしてエラーの検出や修正を行うためのソフトウェアを意味します。これを使うことで、多様なCADフォーマットに対応し、形状修正や不要なフィーチャー削除を自動で行うことができるようになるため、ファイル形式が異なるCADデータを扱わなければならない場合でもスムーズに自社の形式に変換して業務を行うことができます。
基本的に、CAD間の互換性について課題を抱えている企業は、CADデータ品質検証データツールの導入がもっとも効率的に解決する方法のひとつであり、すでに企業の中には導入を進めているところも少なくありません。
CADデータ品質検証データツール「Elysium CADdoctor」とは?

CADデータ品質検証データツールといわれてもどのようなツールを使用すればいいのかわからないという方も少なくないでしょう。CADデータ品質検証データツールで多くの企業が導入している製品として有名なのがElysium CADdoctorです。
Elysium CADdoctorとは、AutodeskやMoldflowを使用する企業のための3Dデータ処理ツールです。多くの製造現場で活用されているデータ処理性能を継承し、読み込んだ設計データをAutodeskやMoldflowに最適なデータに変換し、出力します。多用なCADフォーマットに対応し、形状修正や不要なフィーチャー削除を自動で行うことができるので、Moldflowでの解析プロセスの効率化を実現することが可能です。
Elysium CADdoctorを導入する3つのメリット

実際に、企業がElysium CADdoctorを導入することで、大まかにわけて3つのメリットを獲得することができます。ここでは、具体的にどのようなメリットがあるのか解説しますので、ぜひ参考にしてください。
解析プロセスの効率化
Elysium CADdoctorの最大のメリットは、解析プロセスの効率化です。
読み込めないCADデータや崩れたモデルの場合でもElysium CADdoctorが自動で修正・変換し、即解析が可能な状態に整えてくれます。これにより、Moldflowにおける解析の準備時間が短縮されるため、解析プロセスの大幅な効率化を期待することができるでしょう。
モデルの不整合や不要形状の自動除去
Elysium CADdoctorを導入することによってモデルの不整合や不要形状を自動で除去することができるようになります。
Elysium CADdoctorのような品質検証データツールを導入しない場合、低品質メッシュの修正に膨大な工数が発生します。微小なフィレットやロゴなど解析に不要な形状は、削除しないとメッシュ数が増加し精度が低下する原因となります。そのため、削除する必要があるのです。
一方、Elysium CADdoctorを導入すれば、このような不要形状を自動で削除してくれるため、低品質メッシュの修正にかかっていた膨大な作業を大幅に減らすことができます。
モデル修正時間の短縮
モデルの修正時間を短縮することができる点も大きなメリットです。
品質検証ツールを使用しない場合、広範囲のフリーエッジに対して修正作業が発生するため、多くの時間を浪費することになります。しかし、Elysium CADdoctorを導入すれば、細長い面の分割や消去をすることで、面抜けを防止することができるので、モデル修正時間の短縮を期待することができるでしょう。
IT導入補助金でのCADの導入についてはこちらをご覧ください。
まとめ
今回は、CAD間のデータ互換性に関する問題や解決策、Elysium CADdoctorの概要やメリットについて紹介しました。実際に、Elysium CADdoctorを導入すれば、CAD間のデータ互換性に関する問題の大部分を解決することができます。そのため、導入を検討している企業も少なくないでしょう。しかし、Elysium CADdoctorの導入には費用がかかるため、その点がネックになっている方もいるのではないでしょうか?そのような企業はCADジャンクションを利用するのがおすすめです。
CADジャンクションは、補助金を活用したElysium CADdoctorの導入支援を実施しています。実際に利用すれば、通常の半額でElysium CADdoctorを導入できるので、興味がある方は、下記からお気軽にご相談ください。
CADジャンクションでは、補助金を活用したCADの導入支援を実施しています。申請手続きなどはCADジャンクションが代行するため、負担少なくさらに半額で導入できます。興味がある方は、下記からお気軽にご相談ください。
また、初回相談は無料となっています。「補助金の対象になるの?」「どのツールが自社に合っているの?」など、CADや補助金に関するお悩みやご相談のある方はお気軽にお問い合わせください。