CAD資格試験ってどんな感じ?難易度や概要について詳しく解説

  • 2024年5月28日
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  • コラム

CADオペレーターとして働くためには、必ずしもCAD資格を取得しなければならないということはありません。CAD資格がなければ図面を作成できないというわけではないため、資格がないという方でもCADオペレーターとして働くことは可能です。しかし、企業の中にはCADオペレーターを採用する際、即戦力となってくれる人材を確保したいというところが多くなります。そのため、CAD資格を取得しておくと就職や転職が有利になる可能性があるでしょう。

CADオペレーターとして企業への就職や転職を検討している人の中には、まずは資格を取得したいという方もいるのではないでしょうか。CAD資格は種類が豊富になっているため、資格取得を目指す前に、CAD資格試験の概要をチェックする必要があります。また、自分でもCAD資格試験をパスできるのかあらかじめ難易度を知っておきたいという方も多いでしょう。

そこで、今回はCAD利用技術者試験の概要や各試験の詳細、難易度について解説しますので、興味がある方はぜひチェックしてみてください。


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CAD利用技術者試験とは?

CAD利用技術者試験について

CAD利用技術者試験とは、技能や職種に応じて知識や技術をレベルアップできるように構成されたCADオペレーターのための資格試験です。国内有数のCADエンジニアを育成するための資格試験になります。

CAD利用技術者試験は、2次元CAD利用技術者試験と3次元 CAD利用技術者試験にわけることができます。資格を取得したい人によってどのような技術を取得したいのかが変わるため、自身に最適な資格試験を選択する必要があります。


CADオペレーターの仕事内容につきましては、以下の記事で詳しく解説していますので、よろしければご覧ください。

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CADについての概要

2次元CAD利用技術者試験コースの概要

2次元CAD利用技術者試験は、2次元CADの知識や基礎を習得するための資格試験です。具体的な2次元CAD利用技術者試験の種類は下記の通りになります。

  • 2次元CAD基礎
  • 2次元CAD利用技術者試験2級
  • 2次元CAD利用技術者試験1級(機械)
  • 2次元CAD利用技術者試験1級(建築)
  • 2次元CAD利用技術者試験1級(トレース)

1級まで合格することで、高度な作図の知識やスキルを証明することができます。それぞれの種類で資格試験の内容が変わるため、早速チェックしていきましょう。

2次元CAD基礎の概要

2次元CAD基礎は、これからCADを学び始めるという方に最適なCAD利用技術者試験です。今後、2級や1級の取得を目指すためのファーストステップとして挑戦するという方が多くなります。設計や製図、CADシステムの販売業務を目指す人にも最適な資格試験です。

2次元CAD基礎の試験範囲は、『CADシステムの知識と利用』、『CADシステムのプラットフォーム』、『製図の知識や図形』などです。合格基準は総合で7割以上を取得する必要があります。

【2次元CAD基礎の詳細】

試験時間50分
試験形態IBT方式による多肢選択式
合格基準総合7割以上
受験資格特になし
受験料4,400円(税込) ※認定会場は2,750円(税込)

2次元CAD利用技術者試験2級の概要

2次元CAD利用技術者試験2級は、CADシステムの運用やデータ管理に関する業務を行う方を対象に2次元CADの基礎知識力を試すための資格試験です。後述しますが、1級を受験するためには、2次元CAD利用技術者試験2級の取得は必須となるため、1級まで取得したいという方は、まずは2級に合格する必要があります。

2次元CAD利用技術者試験2級の出題範囲は、CADシステムの基礎知識や製図一般です。合格するためには、各分野で5割、総合で7割以上が必須条件です。

【2次元CAD利用技術者試験2級の詳細】

試験時間60分
試験形態CBT方式による多肢選択式
合格基準各分野5割以上、および総合が7割以上
受験資格特になし
受験料6,050円(税込)

2次元CAD利用技術者試験1級(機械)の概要

2次元CAD利用技術者試験1級(機械)は、機械の分野で実務経験1年以上もしくは学習経験1年以上の方が受験する資格試験です。主な出題範囲は、機械部品の作図や適切な数値からの作図、投影図からの作図を行う実技試験と機械製図の知識を試すための筆記試験となります。

合格するためには、各分野で5割、総合で7割以上の問題を正解にしなければなりません。

【2次元CAD利用技術者試験1級(機械)の詳細】

試験時間80分
試験形態CADシステムを使用した実技問題
合格基準実技試験・筆記試験が各5割、および総合が7割以上
受験資格2次元CAD利用技術者試験2級もしくは1級の有資格者
受験料16,500円(税込)※過去の1級有資格者は11,000円(税込)

2次元CAD利用技術者試験1級(建築)の概要

2次元CAD利用技術者試験1級(建築)は、建築設計事務所や住宅・設備メーカー、CADインストラクターなどを目指す方に最適な資格試験です。建築系のCADシステムを利用して、設計・製図業務に従事し、1年以上の就学・就業経験がある方が対象となっています。

2次元CAD利用技術者試験1級(建築)の試験範囲は、RC造または木造を問う実技試験と建築製図の基礎知識や建築生産の電子情報を試す筆記試験で構成されています。

【2次元CAD利用技術者試験1級(建築)の詳細】

試験時間80分
試験形態CADシステムを使用した実技問題
合格基準実技試験・筆記試験が各5割、および総合が7割以上
受験資格2次元CAD利用技術者試験2級もしくは1級の有資格者
受験料16,500円(税込)※過去の1級有資格者は11,000円(税込)

2次元CAD利用技術者試験1級(トレース)の概要

2次元CAD利用技術者試験1級(トレース)は、主に2次元図面のトレース業務に従事し、半年以上の就学・就業経験がある方を対象とした資格試験です。CADシステムによる製図業務に特化した操作能力や知識を試す資格試験となっています。特に、建築・土木設計事務所や機械、アパレルメーカーなどでCADオペレーターを目指す方におすすめです。

2次元CAD利用技術者試験1級(トレース)は、トレース能力や投影能力を試す実技試験や製図の知識を試す筆記試験で構成されています。

【2次元CAD利用技術者試験1級(トレース)の詳細】

試験時間80分
試験形態CADシステムを使用した実技問題
合格基準実技試験・筆記試験が各5割、および総合が7割以上
受験資格2次元CAD利用技術者試験2級もしくは1級の有資格者
受験料16,500円(税込)※過去の1級有資格者は11,000円(税込)

3次元CAD利用技術者試験コースの概要

3次元CAD利用技術者試験は、3次元CADの知識や技術を習得したい人が取得を目指すための資格試験です。具体的な試験の種類は下記の通りになります。

  • 3次元CAD利用技術者試験2級
  • 3次元CAD利用技術者試験準1級
  • 3次元CAD利用技術者試験1級

それぞれの試験の概要を詳しく解説します。

3次元CAD利用技術者試験2級の概要

3次元CAD利用技術者試験2級は、3次元CADシステムを使用した機械系・製造系のモデリング・設計・製図などの業務を目指す人などを対象とした資格試験です。将来的に準1級を目指す場合、2級の取得は必須になるため、3次元CAD利用技術者試験に挑戦される方は、まず2級を取得する必要があります。

3次元CAD利用技術者試験2級の出題範囲は、3次元CADの概念分野や実用的モデリング手法分野、3次元CADデータ活用分野などで構成されています。

【3次元CAD利用技術者試験2級の詳細】

試験時間60分
試験形態CBT方式による多肢選択式
合格基準各分野5割以上、および総合が7割以上
受験資格特になし
受験料7,700円(税込)

3次元CAD利用技術者試験準1級の概要

3次元CAD利用技術者試験準1級は、3次元CADを学び、基礎知識の習得や3次元設計の補助業務やオペレーターを目指す人を対象とした資格試験です。受験するためには、2級取得が必須条件となります。

3次元CAD利用技術者試験準1級の出題範囲は、CADリテラシー問題や空間把握能力問題、2次元図面から作図能力を問う問題などで構成されています。3次元CADシステムを利用して機械系のモデリングや設計、製図などの業務を従事する方におすすめです。

【3次元CAD利用技術者試験準1級の詳細】

試験時間120分
試験形態実技試験及び記入
合格基準各分野で各5割以上、および総合が7割以上
受験資格3次元CAD利用技術者試験2級の有資格者
受験料11,000円(税込)※会場のPCとソフトを利用する場合(一般試験)は13,200円(税込)

3次元CAD利用技術者試験1級の概要

3次元CAD利用技術者試験1級は、2級もしくは準1級取得者が受験できる資格試験です。機械系や製造系、モデリング、設計、製図などの業務に従事して半年以上の実務経験がある方が対象となっています。

試験範囲は、CADリテラシーや空間把握能力分野、アセンブリモデリング能力分野などです。

【3次元CAD利用技術者試験1級の詳細】

試験時間120分
試験形態CADシステムを使用した実技問題
合格基準実技試験・筆記試験が各5割以上、および総合が7割以上
受験資格3次元CAD利用技術者試験2級もしくは準1級の有資格者
受験料16,500円(税込)※会場のPCとソフトを利用する場合(一般試験)は18,700円(税込)

CADを勉強したい人におすすめの教材に関しましては、以下の記事で詳しく解説していますので、よろしければご覧ください。

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CADを勉強したい人におすすめの教材

CAD利用技術者検定試験の難易度とは?

CAD利用技術者検定試験の難易度について

CAD利用技術者検定試験の難易度は、それぞれの階級で異なりますが、2級までに関しては独学でも合格するといわれています。それぞれの階級の2016年度の前期・後期の合格率は下記の通りです。

試験前期後期
3次元CAD利用技術者試験 2級48.10%42.32%
3次元CAD利用技術者試験 準1級36.20%51.52%
3次元CAD利用技術者試験 1級21.60%43.14%
2次元CAD利用技術者試験 2級53.30%
2次元CAD利用技術者試験 1級(トレース)67.85%
2次元CAD利用技術者試験 1級(建築)40.54%
2次元CAD利用技術者試験 1級(機械)36.69%
2次元CAD利用技術者試験基礎64.70%

まとめ

今回は、CAD試験の概要や難易度について詳しく解説しました。それぞれの階級で難易度は変化しますが、2級までに関しては独学でも合格することは十分に可能です。そのため、CAD資格を取得したいという方は、まず2級に挑戦するのがおすすめです。


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