業界別CADの種類とおすすめCADソフトについてご紹介!

  • 2024年5月20日
  • 2024年5月28日
  • コラム

CADは、Computer-Aided Designの略称で、コンピューター支援設計を意味します。簡単にいえば、コンピューターを使用して建物や製品の設計をするためのツールです。従来においては、さまざまな建物や製品の設計は手書きで行われていました。手書きは、直感的で手軽に設計をすることができます。また、低コストという点も大きなメリットです。しかし、正確性が低く、修正に制約があるため、効率的に設計を行うことができません。そのため、現在は数多くの業界でCADを使用し、建物や製品の設計を行っています。

CADという言葉を聞くと建築設計をイメージされる方も多いかもしれません。しかし、現在はさまざまな業界でCADは使用されています。また、それぞれの業界で使われているCADは異なるため、実際に業界別のCADの種類について知りたいという方もいるのではないでしょうか?

そこで、今回は業界別のCADの種類について詳しく解説しますので、興味がある方はぜひ参考にしてください。


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CADの種類を改めて確認しよう!

CADの種類

CADにはさまざまな種類があり、それぞれのソフトで得意なことやできることが変化します。業界別のCADの種類を説明する前に、まずは基本的なCADの種類について解説しますので、改めて確認してみてください。

汎用・専用CAD

CADは、汎用と専用CADに大きくわけることができます。汎用CADは、業界や分野に関係なく幅広い企業で使用されるCADのことです。汎用性を高めるために、さまざまな機能が搭載されていることが多く、高機能な点が特徴になります。

一方、専用CADは特定の業界や分野に特化したCADのことです。例えば、建築や機械など特定の分野に特化した機能が内蔵されているため、効率的に設計ができるという点が大きなメリットになります。また、汎用CADではカバーできない点も専用CADなら対応できることが多く、設計の幅が広がる点も魅力です。

2D・3DCAD

現在、CADには2DCADと3DCADがあります。

2DCADは、平面で図面を作図することができる2次元CADのことです。家の間取りなどは平面で表現されることが多いですが、そのようなものを作成する際に2DCADは使用されます。2DCADは無料のソフトなども提供されているため、誰でも導入しやすいという点がメリットです。

一方、3DCADはその名の通り3次元で建物や製品を表現することができるCADのことです。球体や立体など、製品を仮想空間にそのまま表現することができるため、素人でも視覚的に理解することができます。また、試作品の制作ハードルが下がるため、設計業務の効率化やコスト削減につながる点もメリットです。

業界別のCADの種類について

業界別のCADの種類

次に、業界別のCADの種類について解説します。各業界のCADについて詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

建築CAD

建築CADは、建物のデザインや施工図など、建築に必要な設計図を作成するためのCADです。例えば、住宅やビルを建築する際には、部屋や壁、階段など建物の外部・内部を細かく設計する必要があります。その際に、建築CADが使用されるのです。

建築CADには、建築設計に必要な機能が搭載されています。例えば、壁や階段を簡単に作図することができるコマンドやインテリアを配置できる機能などです。ほかの業界に比べて建築CADは比較的操作が簡単で、住宅やビルの図面から3DのCGパースまで作成することもできます。

また、建築業界ではCADだけでなく、BIMを活用する企業も増えています。BIMは、3次元の建物のデジタルモデルにコストや仕上げ、管理情報などの属性データを追加した建築物のデータベースを設計・施工・維持管理などの工程において情報活用できるようにしてくれるソフトウェアです。3次元で表現されるため視覚的にわかりやすく、風や熱など特定の条件の環境を仮想空間の中で作り出せる点が特徴です。一方、BIMは導入コストが高いです。また、データ容量も大きいため、ハイスペックのPCが必要になる点もデメリットになります。

土木CAD

土木CADは、土木設計をするためのCADです。土木工事には、設計図や参考図、更新変更図、施工図などさまざまな図面が必要になります。これらの図面を作図することができるのが土木CADです。

汎用CADでも土木設計を行うことができます。しかし、土木専用のCADは測量機能が搭載されているものもあるため、そのようなCADを選択したほうが利便性は高くなるでしょう。

建築設備CAD

建築設備CADは、電気やガス、空調、給排水などの設計に特化したCADです。建築CADに関しても建物を設計する際に用いられますが、建築設備CADとは建物の中でも設計する場所が異なります。そのため、両者はわけて使用されるケースも少なくありません。

建築設備CADの中には、3Dモデルを作成することができるものやBIMと連携できるソフトもあります。また、各図面を連動させることで、修正作業の負担が大幅に削減されるものもあるため、非常に便利です。

機械CAD

機械CADとは、精密な機械図面を設計することに特化したCADのことです。主に、自動車や家電、工作機械、精密機械などの図面を作成するときに使用します。3D形状のモデリングができるソフトが多く、2Dよりも視覚的にわかりやすい設計が可能です。

機械業界は、ミリ単位の違いが大きなミスとなってしまう業界です。そのため、機械CADは精密な作図ができるという特徴があります。また、仮想空間で動作を検証することができたり、部品同士の干渉チェックができたりするものも少なくありません。機械業界の中には、自動車や航空機なども含まれますが、このような大型機械設計にはハイエンドCADと言われる高機能なCADが使用されています。

回路設計CAD

回路設計CADは、電子回路や電気回路を設計するために使用されるCADです。回路には大きくわけるとデジタル回路とアナログ回路があり、デジタル回路はPCやスマホ、AV家電などの電気・電子機器の制御や情報処理をつかさどります。一方、アナログ回路は電源系や駆動系をつかさどる回路です。

回路設計CADは、電化製品の基盤などを製作することに特化しており、3Dツールと連携できるソフトや無料で利用できるCADなど種類はさまざまです。

アパレルCAD

アパレルCADは、服装デザインに特化したCADです。主に、服の製図の際に使用されることが多く、アパレル業界で活用されています。アパレルCADには、パターンやグレーティング、マーキングなど服の製図に特化した機能が内蔵されている点が特徴です。

ジュエリーCAD

ジュエリーCADは、ジュエリーデザインに使用されるCADのことです。指輪やネックレスなどのアクセサリー用品のデザインを作成することに特化しています。ジュエリーCADを使用することで、手作業では難しい精巧なデザインを施すことが可能です。

業界別におすすめのCADソフト4選

次に、業界別におすすめのCADソフトをいくつかピックアップします。各製品がどのような業界で活用されているのかがわかるので、ぜひチェックしてみてください。

AutoCAD

AutoCADについて

公式サイトはこちら:AutoCAD

AutoCADは、建築設計やエンジニアリング、建設・施工に対応しているCADソフトです。作図作業を自動化してAIを活用したオブジェクトの配置や図面の比較などができる点が特徴になります。また、2次元はもちろんのこと、3次元にも対応しているCADソフトです。

AutoCADは市場全体の7割を占めるCADソフトです。圧倒的なシェアを誇り、幅広い業界で使われている汎用CADになります。また、建築や土木、機械など専門に特化した拡張機能も搭載されているため、専用CADとしても活用することが可能です。

VectorWorks

VectorWorksについて

公式サイトはこちら:VectorWorks

VectorWorksは、デザイン性の高い建築物を作る際に使われているCADソフトです。建築設計や内装、ディスプレイデザインに対応した先進的なBIMやインテリア設計支援機能、拡張機能等が搭載されています。

た、建築向けの豊富なデータライブラリも内蔵されているため、建築CADとしておすすめです。


VectorWorksの概要はこちらをご覧ください。

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vectorworksの機能・特徴について

CADWe’ll Tfas

CADWe’ll Tfasについて

公式サイトはこちら:CADWe’ll Tfas

CADWe’ll Tfasは、電気・空調・衛生などすべての設備機能を搭載した建築設備CADです。直感的にわかりやすい操作性や設計者の意図が伝わる図面作成機能が搭載されている点が特徴になります。最新のグラフィック技術により高速3D表示や高速視点移動なども可能です。

また、株式会社ダイテックはCADWe’ll 土木 11という製品も提供しています。CADWe’ll 土木 11は土木業界に特化しているCADです。基本機能だけでなく、洗練された土木用機能が搭載されているため、簡単に土木図面の作図や編集を行うことができます。また、インターネット環境がない作業現場でも使用できるように、タイムチャージ機能も搭載されています。そのため、オフライン環境で作図をしなければならない現場にもおすすめのCADです。

CATIA

CATIAについて

公式サイトはこちら:CATIA

CATIAは、自動車や航空宇宙、機械業界などで使用されているハイエンド3DCADシステムです。製品設計のナレッジが蓄積されているため、製品開発の機会を短縮し、製品の市場への早期投入が可能になります。

CATIAはナレッジ機能が搭載されているため、自動修正や品質の標準化をサポートしてもらうことができます。また、大規模なアセンブリに対応して高い操作性を備えているため、快適に設計を行うことが可能です。特に、自動車や航空宇宙などハイエンド3DCADシステムの導入を検討している人におすすめのCADソフトです。

まとめ

今回は、業界別のCADの種類について詳しく解説しました。業界に関係なく、汎用CADなどはさまざまな企業で使用されています。しかし、業界ごとに導入されているCADは、その業界に特化した機能を備えていることが多いです。CADソフトにはさまざまな種類があり、各製品で搭載されている機能は異なるため、自社が効率的に設計できるCADソフトを選択する必要があります。


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