結論:3年使うかどうかで分かれます
Vectorworksには永続ライセンス(買切り)とサブスクリプション(年額・月額)があります。2026年9月時点のメーカー公表価格(税込)で比べると、どちらが安くなるかは何年使うか、そのあいだバージョンを上げるかで決まります。
| 使い方 | 向くライセンス | 理由 |
|---|---|---|
| 買ったバージョンを固定して4年以上使う | 永続ライセンス | Architectなら約2.7年でサブスクの累計を下回る |
| 常に最新バージョンを使う | サブスクリプション | 永続+保守(Service Select)の合計より安くなる |
| 人数が増減する/期間限定のプロジェクト | サブスクリプション | 使う期間だけ契約できる |
| 補助金で導入費用を抑えたい | 永続ライセンスが有利になりやすい | ソフトウェア購入費として一度に計上できる。サブスクは補助対象になる期間に上限がある |
そしてもう一点、時期の話があります。スタンドアロン版の永続ライセンスは、2026年末で新規販売が終了する予定です(ベクターワークスジャパン、2026年4月15日発表)。永続で入れる選択肢は、現時点では残り期間が決まっています。
補助金の対象になるか、先に確かめる
デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)の通常枠は、補助率が原則1/2(補助上限450万円)です。当社はIT導入支援事業者として、対象になるツールのご提案と必要書類のご案内を行っています。交付申請はお客様ご自身のGビズIDで行っていただきます。審査があり、採択を保証するものではありません。
2026年9月時点の公表価格
永続ライセンス(スタンドアロン版・買切り)
| グレード | 公表価格(税込) | 主な用途 |
|---|---|---|
| Fundamentals | 393,800円 | 2D作図と3Dモデリングの基本。意匠設計とプレゼン |
| Architect | 523,600円 | Fundamentals+建築向け機能。BIM機能を含む |
| Landmark | 523,600円 | Fundamentals+造園・ランドスケープ向け機能 |
| Spotlight | 523,600円 | Fundamentals+舞台・照明・イベント向け機能 |
| Design Suite | 676,500円 | Architect・Landmark・Spotlightの機能を網羅 |
サブスクリプション
| グレード | 年間(税込) | 月間(税込) |
|---|---|---|
| Fundamentals | 132,000円 | 13,200円 |
| Architect | 198,000円 | 19,800円 |
| Landmark | 198,000円 | 19,800円 |
| Spotlight | 198,000円 | 19,800円 |
| Design Suite | 264,000円 | 26,400円 |
公表価格は各社が自社サイトで公開している金額です(2026年9月28日確認)。当社のご提案価格ではありません。価格は予告なく変更される場合がありますので、最新の金額は各メーカーのサイトでご確認ください。
月間で契約すると、年間契約の1/10ではなく1/10より高い水準になります。Architectなら月間19,800円×12か月=237,600円で、年間契約(198,000円)より39,600円多くかかります。1年以上使う予定があるなら年間契約のほうが安くなります。
永続とサブスク、何年で逆転するか
バージョンを固定して使う前提で、累計費用を並べます。Architectの例です。
| 年数 | 永続ライセンス | 年間サブスクリプション | 差 |
|---|---|---|---|
| 1年 | 523,600円 | 198,000円 | サブスクが325,600円安い |
| 2年 | 523,600円 | 396,000円 | サブスクが127,600円安い |
| 3年 | 523,600円 | 594,000円 | 永続が70,400円安い |
| 5年 | 523,600円 | 990,000円 | 永続が466,400円安い |
単純な割り算では523,600円 ÷ 198,000円=約2.6年が分岐点です。3年目で永続が追い越します。
ただしこれはバージョンを上げない前提です。永続ライセンスで最新バージョンを使い続けるには、バージョンアップサービスかService Select(保守)の費用が別に必要になります。メーカー自身がArchitectの3年間の費用例として示している数字は次のとおりです。
| 選び方 | 3年間の合計 |
|---|---|
| 年間サブスクリプション(198,000円/年) | 594,000円 |
| 永続ライセンスのバージョンアップのみ | 392,700円 |
| 永続ライセンスのバージョンアップ+Service Select契約 初年度508,200円、更新115,500円/年 | 739,200円 |
つまり最新バージョンを維持する使い方なら、サブスクリプションのほうが安くなります。永続が安いのは「買ったバージョンで数年やり切る」使い方に限られます。この判断は他のCADでも同じ構造なので、買い切りとサブスクの判断基準もあわせてご覧ください。
2026年末に何が変わるか
ベクターワークスジャパンは2026年4月15日に、2027年以降の製品とライセンス提供について発表しています。要点は次の3つです。
| 項目 | 2026年末まで | 2027年以降 |
|---|---|---|
| スタンドアロン版 永続ライセンスの新規販売 | 販売中 | 終了予定 |
| スタンドアロン版 永続ライセンスのバージョンアップサービス | 提供中 2026年版の申込期限は2026年12月11日(金) | 終了予定 |
| スタンドアロン版 永続ライセンス向け Service Select の新規・追加契約 | 受付中 | 終了予定 |
| 既存の Service Select 更新契約 | 継続 | 継続 |
| サブスクリプション | 提供中 | 継続 |
| ネットワーク版 永続ライセンス | 提供中 | 継続 |
注意点として、メーカーは過去にも永続ライセンスの販売終了を予告したうえで延期しています。2024年8月には「多くのお客様からのご要望を受け、来年も販売を継続する」と発表しています。ですので「今買わないと二度と買えない」と決めつけるのではなく、現時点の公表は2026年末であるという前提で計画を立てるのが現実的です。
永続で入れたい事情がはっきりしている場合(たとえば図面の再現性のためにバージョンを固定したい、年度ごとの支出を増やしたくない)は、2026年内に判断するほうが選択肢は多くなります。複数台をまとめて管理したい場合は、2027年以降も継続するネットワーク版永続ライセンスという選択肢もあります。
グレードの選び分け
Vectorworksはグレードごとに追加される機能が決まっています。迷いやすいのはFundamentalsとArchitectの間です。
| こういう業務なら | グレード |
|---|---|
| 平面図・立面図・展開図の作図と、3Dでのプレゼン | Fundamentals |
| 壁・スラブ・建具を部材として扱い、数量や仕上表と連動させたい | Architect |
| 植栽の種類と数量を拾い、造園図として成立させたい | Landmark 造園CADの選び方で必要な機能を整理しています |
| 舞台・イベントの照明計画と機材のリストを作りたい | Spotlight |
| 建築と外構・内装をまたいで扱う | Design Suite |
外構・エクステリアの提案が中心なら、Landmarkのほかに専用ソフトという選択肢もあります。外構CADの選び方で比較しています。製品ごとの対応OSや対応形式はCAD製品データベースで絞り込めます。
補助金を使う場合に押さえる点
Vectorworksはデジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)の対象になり得るソフトウェアです。通常枠の補助率は原則1/2、補助額は下限5万円・上限450万円です。ただし進め方を間違えると対象外になります。
| 押さえる点 | 内容 |
|---|---|
| 発注の順序 | 交付決定の前に発注・契約・支払いをしたものは対象外です。交付決定前に発注してしまった場合の対処も参考にしてください |
| 支払い方法 | 原則、銀行振込とクレジットカード1回払いのみです。現金払いは認められません |
| 入金の時期 | 精算払いです。いったん全額を支払い、実績報告のあとに補助金が振り込まれます。実績報告で必要な書類を先に確認しておくと手戻りが減ります |
| サブスクの扱い | クラウド利用料は最大2年分までが対象です。永続ライセンスはソフトウェア購入費として扱われます。どちらで申請するかで補助額が変わります |
| 申請の主体 | 交付申請はお客様ご自身のGビズIDで行います。GビズIDプライムの取得方法をご確認ください |
| 会計処理 | 補助金は益金になります。圧縮記帳の考え方を整理しています |
時期の話としては、永続ライセンスの2026年末という期限と、補助金の締切の両方に間に合わせる必要があります。交付決定を待ってから発注する必要があるため、締切の直前に動き始めると年内の納品に間に合わないことがあります。制度の全体像はCADの導入費用はどこまで下がるかで整理しています。
中古・名義変更について
「使われていない永続ライセンスを譲ってもらう」という相談をいただくことがありますが、Vectorworksは第三者への譲渡にあたる名義変更を使用許諾契約上認めていません。安価な出物に見えても、正規のライセンスとして使える状態にならない可能性があります。社内で余っているライセンスの扱いを整理したい場合は、ライセンスの管理方法をご覧ください。
この記事を読んだうえで、次に決めることがあれば
ご検討中のグレードと使用人数、永続かサブスクかの希望をお知らせいただければ、お見積りと、補助金の対象になるかの確認結果をお返しします。永続で入れる場合の年内のスケジュールもあわせてお伝えします。
よくある質問
Vectorworksの永続ライセンスはいつまで買えますか
ベクターワークスジャパンは2026年4月15日の発表で、スタンドアロン版永続ライセンスの新規販売を2026年末で終了する予定としています。バージョンアップサービスとService Selectの新規・追加契約も同時期に終了予定です。ネットワーク版の永続ライセンスは2027年以降も提供が継続されます。なお同社は過去にも終了予定を延期しているため、最新の情報はメーカーのサイトでご確認ください。
永続ライセンスとサブスクリプションはどちらが安いですか
バージョンを固定して使う前提なら、Architectでは3年目から永続ライセンスのほうが安くなります(523,600円 ÷ 198,000円=約2.6年)。ただし最新バージョンを使い続ける場合は保守費用が別にかかるため、メーカーが示す3年間の費用例では年間サブスクリプション594,000円に対し、永続ライセンス+Service Selectは739,200円となり、サブスクリプションのほうが安くなります。
Vectorworksの価格は税込ですか
メーカーの公表価格は税込です。永続ライセンスはFundamentals 393,800円、Architect・Landmark・Spotlight 523,600円、Design Suite 676,500円(いずれも税込)。サブスクリプションは年間でFundamentals 132,000円、Architect・Landmark・Spotlight 198,000円、Design Suite 264,000円(いずれも税込)です。2026年9月28日時点の金額です。
補助金を使えばVectorworksは半額になりますか
通常枠の補助率は原則1/2ですが、補助対象経費はお見積りの総額と一致しない場合があり、審査もあります。補助額は下限5万円・上限450万円です。実際の自己負担額は申請枠と対象経費の範囲によって変わりますので、個別にご確認ください。採択を保証するものではありません。
Vectorworksを1台のライセンスで何台のパソコンに入れられますか
スタンドアロン版は2台のパソコンにインストールできますが、同時に起動できるのは1台です。ネットワーク版はインストール台数の制限がなく、同時に起動できる数が購入したライセンス本数までになります。なおネットワーク版はVPN経由での動作が保証されていません。
使っていない中古の永続ライセンスを譲り受けられますか
Vectorworksは第三者への譲渡にあたる名義変更を使用許諾契約上認めていません。正規のライセンスとして使える状態にならない可能性がありますので、譲り受けを前提にした計画はおすすめしません。
出典
- Vectorworks Japan Store「スタンドアロン版永続ライセンス」https://store.aanda.co.jp/products/list?category_id=39(2026年9月28日確認)
- ベクターワークスジャパン「Vectorworks サブスクリプション」https://www.vectorworks.co.jp/subscription/(2026年9月28日確認)
- ベクターワークスジャパン「2027年以降の Vectorworks 製品について」(2026年4月15日)https://www.vectorworks.net/ja-JP/newsroom/20260415-vw2027jp-license
- ベクターワークスジャパン「Vectorworks 2026 永続ライセンス バージョンアップサービス」https://www.vectorworks.co.jp/2026up/(2026年9月28日確認)
- ベクターワークスジャパン「Vectorworks永続ライセンスの販売継続について」(2024年8月26日)https://www.vectorworks.co.jp/lic2025/
補助率・補助上限額は申請枠および事業者の規模によって異なります。通常枠の場合、補助率は原則1/2、補助上限額は450万円です。補助対象経費はお見積りの総額と一致しない場合があります(ハードウェアの一部、大幅なカスタマイズ、申請代行費などは補助対象外です)。
補助金は審査を経て交付決定されるものであり、採択を保証するものではありません。また、交付申請はお客様ご自身のGビズIDで行っていただく必要があります。当社は必要書類のご案内と申請手順のご説明、導入後の設定・研修までを伴走支援します。
制度内容は変更される場合があります。最新の要件・補助率・締切はデジタル化・AI導入補助金 事務局の公式サイトで必ずご確認ください。
この記事は2026年9月28日時点で各社が公開している情報をもとに整理したものです。価格・ライセンス条件・制度の内容は変更される場合がありますので、ご契約前に各メーカーおよび事務局の最新情報をご確認ください。