SXFへの変換方法|電子納品で弾かれないための手順

公共工事の電子納品で、最後につまずくのがSXFへの変換です。変換はできたのに、検定プログラムで弾かれる。この状態で納品期限が迫っている、という相談が毎年あります。

この記事では、SXFに変換する手順と、検定で弾かれる原因を発生順に整理します。

結論:変換の失敗ではなく、元の図面の作り方が原因です

SXFへの変換で弾かれる原因は、変換作業そのものではなく元のCAD図面が納品要領に沿っていないことがほとんどです。

つまり、変換してから直すのではなく、要領に沿って描いてから変換するのが正しい順序になります。すでに描き終わっている場合も、元のCAD側で直してから再変換するほうが確実です。

SXFの形式は2つある

形式拡張子使われる場面
SXF(P21).p21公共工事の電子納品で指定されることが多い
SXF(SFC).sfcファイルが軽い。社内や協力会社とのやり取り

どちらで納めるかは発注者の要領で決まります。SXFにはバージョンの違いもあり、指定されることがあります。着手前に、形式・バージョン・適用する要領を必ず確認してください。ここを確認せずに進めると、最後に作り直しになります。

変換の手順:5ステップ

順やること見るところ
1発注者の要領を確認する形式(P21/SFC)、バージョン、レイヤ命名規則
2要領に沿ったレイヤ・線種で作図するここが本体。後から直すと手戻りが大きい
3外部参照とブロックを解決する参照が残っていると図形が欠ける
4SXFに変換するCAD標準の書き出し、または変換ツール
5検定プログラムとビューアで確認する必ず実施。目視と機械の両方

ステップ5を省く方が多いのですが、ここを飛ばすと納品時に判明します。変換した直後に自分で開き直すだけで、大半の問題は事前に見つかります。

検定で弾かれる原因(多い順)

1. レイヤ名が要領と違う

最も多い原因です。図形が正しく描けていても、レイヤの命名規則が要領から外れていれば弾かれます。要領のレイヤ一覧を手元に置き、テンプレートを作ってから描き始めてください。一度作れば次の案件から使い回せます。

2. 要領にない線種・線色を使っている

使える線種と色は要領で決まっています。普段の社内図面の感覚で描くと、対象外のものが混ざります。変換ツールが自動で置き換える場合もありますが、意図しない見た目になるため、元の図面側で揃えるほうが安全です。

3. 外部参照・ブロックが解決されていない

他のファイルを参照したまま変換すると、参照先の図形が欠けます。変換前に参照を取り込み、単独のファイルとして完結させてください。

4. 文字のフォント・サイズが基準外

SXFで扱える文字には制約があります。装飾的なフォントや極端に小さい文字は、変換後に崩れたり消えたりします。

5. 紙面サイズと縮尺が合っていない

用紙と縮尺の設定が要領と違うと、寸法が正しくても不適合になります。作図を始める前に設定してください。

SXFに対応している主な製品

公表価格は各社が自社サイトで公開している金額です(2026年9月15日確認)。当社のご提案価格ではありません。

製品特徴公表価格
V-nas
川田テクノシステム
土木向けの国産CAD。電子納品の対応が厚い66,000円/年
税込
TREND-ONE
福井コンピュータ
測量計算から図面作成まで一体で扱えるお見積り
AutoCAD
Autodesk
汎用。SXF変換は別途ツールが必要な場合がある84,700円/年
税抜
IJCAD
インテリジャパン
DWG互換の国産CAD39,600円/年〜
税込・STD

土木分野での製品の選び方は土木CADとは?メリットやデメリット、おすすめの製品、測量まで含む場合は測量CADとは?目的とおすすめの測量CADを紹介をご覧ください。公共工事で求められる機能の全体像は建築CADソフト比較一覧|意匠・構造・設備の選び方も参考になります。

より多くの製品を条件で絞る場合はCAD製品データベース(53製品)で対応形式に「SXF」を指定してください。

毎回の手間を減らすには

案件ごとに一から設定していると、毎回同じところでつまずきます。一度作るべきものが3つあります。

  1. 要領に沿ったテンプレート(レイヤ・線種・線色・用紙・縮尺を設定済みのもの)
  2. 変換前のチェックリスト(外部参照の解決、文字の確認、不要レイヤの削除)
  3. 検定の実施記録(いつ、どのバージョンで確認したか)

この3つを社内に残しておくと、2件目以降の作業時間が大きく変わります。担当者が変わっても同じ結果になる点も含めて、作る価値があります。

費用と補助金

デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)の通常枠では、事務局に登録されたITツールのソフトウェア購入費・クラウド利用費(最大2年分)・導入関連費が補助対象になります。補助率は原則1/2、補助額は下限5万円・上限450万円です。

土木・測量向けの製品は、登録状況が製品ごとに異なります。検討中の製品名をお知らせいただければ、取扱いとITツール登録の可否を確認してご案内します。なおハードウェアは通常枠では原則対象外、交付決定前の発注・契約・支払いも対象外です。

制度の全体像はデジタル化・AI導入補助金|CADの導入費用はどこまで下がるかをご覧ください。

よくある質問

SXFとP21・SFCは何が違うのですか

SXFという規格に、2つのファイル形式があります。P21はSTEPの仕様に基づく形式で、公共工事の電子納品ではこちらを指定されることが多くあります。SFCはより軽量な形式で、社内や協力会社とのやり取りに使われます。どちらで納めるかは発注者の要領で決まるため、着手前に確認してください。

無料でSXFに変換できますか

SXF対応を持つ無料のCADやビューアはありますが、変換できることと納品要領を満たすことは別です。レイヤ名や線種、文字の扱いが基準に合っていなければ、変換自体が成功しても検定で弾かれます。無料の手段で変換する場合も、検定プログラムでの確認は必ず行ってください。

変換したのに検定でエラーが出ます。何を見ればよいですか

多いのはレイヤ名です。要領で決められた命名規則から外れていると、図形が正しくても弾かれます。次に多いのが、要領にない線種・線色の使用と、外部参照やブロックが解決されていないケースです。エラーメッセージの対象レイヤを特定し、元のCAD側で直してから再変換するのが早道です。

電子納品対応のCADを導入すると補助金は使えますか

デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)の通常枠で、事務局に登録されたITツールのソフトウェア購入費・クラウド利用費(最大2年分)が補助対象になり得ます。補助率は原則1/2、補助額は下限5万円・上限450万円です。土木・測量向けの製品は登録状況が製品ごとに異なりますので、検討中の製品名をお知らせいただければ確認してご案内します。なお審査があり、採択を保証するものではありません。

SXF以外の形式も含めて、相手と目的から渡す形式を決める方法は図面データを社外に渡すときの形式の決め方|相手と目的から選ぶにまとめています。

まとめ

SXFへの変換で弾かれる原因は、変換作業ではなく元の図面が要領に沿っていないことにあります。順序は「要領を確認 → 要領に沿って描く → 参照を解決 → 変換 → 検定で確認」です。

弾かれる原因で最も多いのはレイヤ名です。要領のレイヤ一覧をもとにテンプレートを一度作っておくことで、2件目以降の手間が大きく減ります。

そして変換したら必ず自分で開き直して確認する。これだけで、納品直前に判明する事故のほとんどは防げます。

CADジャンクションの導入支援について

CADジャンクションは、デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)のIT導入支援事業者として、CADの選定から導入・定着までをご支援しています。

補助金を活用する場合、交付申請はお客様ご自身のGビズIDで行っていただく必要があります。当社は、対象となるITツールのご提案、必要書類のご案内、申請手順のご説明、導入後の設定・研修までを伴走支援します。

補助額は申請枠・事業者規模・補助対象経費によって変わります。通常枠の場合、補助率は原則1/2(補助上限450万円)です。審査があり、採択を保証するものではありません。

制度内容は変更される場合があります。最新の要件・補助率・締切はデジタル化・AI導入補助金 事務局の公式サイトで必ずご確認ください。