中小企業こそ導入すべき!クラウド型 CAD のメリット・デメリットと賢い選び方

CADは設計業務において欠かせないビジネスツールのひとつです。昔のCADは、パソコンにインストールして使用するのが一般的となっており、データに関してもハードディスクの中で扱い、料金体系も買い切りとなっていました。しかし、現在はクラウド型CADが登場しており、インターネットを介してデータをやり取りすることができたり、費用を抑えて導入しやすくなっていたりします。

中小企業の中には、クラウドに対応していないCADソフトなどを使用しているところもありますが、クラウド型CADに変更することで、数多くのメリットを獲得することができるようになります。そのため、この機会に導入を検討し、さらに市場の中に競争力を高めてみてはいかがでしょうか?

そこで、今回はクラウド型CADソフトのメリットや注意点、選び方について解説しますので、興味がある方は、ぜひチェックしてみてください。

中小企業がクラウド型CADを利用するメリットとは?

中小企業クラウド型CAD利用メリット

はじめに、中小企業がクラウド型CADを利用するメリットを3つ紹介します。導入することで実際にどのようなメリットを獲得することができるのか知りたいという中小企業の管理者は、ぜひ参考にしてみてください。

初期費用を抑えられる

クラウド型CADの最大の利点のひとつは、初期コストが比較的低いことです。多くのクラウドサービスは、月額または年額で利用できるサブスクリプション方式を採用しており、買い切り型の高額なライセンス費用が不要です。そのため、まとまった資金を用意しづらい中小企業でも導入しやすく、予算計画の柔軟性が高まります。

ランニングコストは継続的にかかりますが、初期投資を抑えられることで、導入のハードルを大幅に下げられる点が大きなメリットです。

運用管理の手間を削減できる

クラウド型CADは、インストール型のソフトと比べてシステム保守の負担が少ないです。

ソフトウェアの更新や不具合対応などは開発者元で自動的に処理されることが多く、ユーザー側が自ら対応する必要がありません。社内に専門のIT人材を常駐させなくても安定的に運用できるため、人的コストの面でも効率的です。これにより、設計や生産など本来の業務に集中できる環境を構築することができるでしょう。

場所や時間に関係なくアクセスできる

クラウド型CADは、インターネット接続環境があれば、オフィスだけでなく自宅や外出先からでも利用することができます。パソコン1台でいつでもどこでも作業が可能なため、時間や場所に縛られず、柔軟な働き方を実現できます。

特に、テレワークの導入が進む昨今のビジネス環境においては、こうした柔軟性は企業にとって強みとなります。出張中の修正対応や複数拠点間の設計データの共有など、業務のスピードと効率を大きく向上させることができるでしょう。

クラウド型CADを導入する際の注意点について

クラウド型CAD導入注意点

クラウド型CADには、このように多くのメリットがありますが、一方で注意しておきたいポイントもいくつか存在します。ここでは代表的な注意点を2つピックアップしましたので、ぜひ参考にしてください。

セキュリティへの懸念がある

多くのクラウド型CADは高水準のセキュリティ対策を行っていますが、完全にリスクがゼロというわけではありません。特に、社外とのデータ共有が多い企業では、情報漏洩や不正アクセスへの対策を行う必要があります。

導入時には、暗号化通信やアクセス権限管理、ログ監視などがしっかり行われているかを確認し、運用ルールも含めてセキュリティ対策を徹底することが求められます。

連携がしづらい

クラウド型CADは社内サーバーに依存しないため、柔軟に使える反面、既存の社内システムとの接続が難しいケースもあります。例えば、基幹システムや業務支援ソフトとのデータ連携を前提とする企業において、クラウド型ではスムーズに連携できないことも多いです。

このような問題を回避するためには、あらかじめどのようなシステムと連携する必要があるのかを確認した上でクラウド型CADを選定する必要があります。

クラウド型CADを選定する際に考慮すべき3つのポイント

クラウド型CAD選定考慮ポイント

クラウド型CADを選定する際に考慮すべきポイントは3つあります。それぞれのポイントについて詳しく解説します。

セキュリティ対策

クラウド型CADは利便性が高い一方で、インターネット経由でデータをやり取りするため、セキュリティへの配慮が必要不可欠です。特に、設計データには機密情報が含まれることも多く、外部からの不正アクセスや情報漏洩を防ぐためには、適切なセキュリティ対策が求められます。

例えば、アクセス権の設定や多要素認証、ID・パスワード管理の強化など、情報を守る体制が整っているかを確認してCADを選ぶ必要があるでしょう。

ネットワーク環境

クラウド型CADは、ネットワークを介して動作するため、安定した通信環境の確保が必要不可欠です。

特に、大容量の設計データを頻繁にやり取りする場合は、通信速度や回線の安定性が業務効率に大きく影響を与えます。もし、ネットが不安定だったり速度が遅かったりすると、動作が重くなり、ストレスやトラブルの原因になるため、ネットを快適にできる環境整備を行うことが重要です。

ランニングコスト

クラウド型CADは初期投資が抑えられる一方で、月額や年額で継続的な費用が発生するのが一般的です。利用するユーザー数や使用する機能によってコストが変動するため、長期的な視点での費用対効果を考えることが重要です。

また、契約内容によってはデータ保存容量やサポート内容に制限がある場合もあるため、プランの詳細を事前に比較して最適なものを選ぶ必要があります。


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自社の規模やニーズに合ったクラウド型CADの選び方

自社規模ニーズクラウド型CAD選び方

クラウド型CADを選ぶ際には、自社に合ったものを選択する必要があります。企業規模やニーズによって選ぶべきクラウド型CADが大きく変わるため、どのように自社に合ったものを選べばいいのかわからないという方は、ぜひ参考にしてください。

自社の業種・用途に適した機能があるか確認する

クラウド型CADには、建築、土木、製造業、電気設計など、業種ごとに特化した機能を持つものが数多く存在します。例えば、建築業であればBIMに対応できるかどうかが重要になりますし、製造業なら3Dモデリングやアセンブリ機能が豊富にあるクラウドCADのほうが使いやすいです。

そのため、まずは自社がどのような設計を行っているのかを明確にし、その業務に必要な機能が標準で搭載されているかを確認する必要があります。そして、用途が一部に限られない企業においては、拡張機能などをチェックし、自社の要望に対して柔軟な対応ができる製品を選ぶようにしましょう。

従業員数・使用頻度に応じた料金体系を選ぶ

クラウド型CADは従来の買い切り型とは異なり、多くがサブスクリプションという料金体系を採用しています。そのため、使用人数や業務の頻度に応じて、適切なプランを選ぶことがもっとも自社に合ったクラウド型CADを選ぶ際のポイントです。

例えば、常に複数人が設計作業を行う場合、まとめてライセンスを契約することで得になる製品を選ぶとコストを削減できます。一方、個人や小規模であれば1ユーザー単位のライセンスを選ぶほうが割安です。しかし、従業員数や使用頻度を考慮する際は現時点だけでなく、将来的な増員やプロジェクト単位での利用拡大も見越した上で製品選びをすることが重要になります。

初心者でも扱える操作性かどうかをチェックする

優れた機能を持つCADでも、現場の設計者が使いこなせなければ意味がありません。特にクラウド型CADはアップデートの頻度が高く、操作体系や画面構成が変更されることもあります。従来型のCADソフトと大きく異なる操作感を持つものもあるため、初心者でも直感的に操作できるインターフェースを採用しているCADを選ぶほうがおすすめです。

また、それだけでなく、チュートリアルやマニュアル、サポート体制が充実しているかどうかも確認しておくと導入した後に従業員に定着しないといったトラブルを避けることができます。

他のツールとの連携のしやすさを確認する

現在、CAD単体では完結しない設計業務が増えているため、他の業務システムとの連携のしやすさを考慮することは非常に重要です。

例えば、製造業であればCAMやPLM、ERPなどとのデータ連携が業務効率に役立ちます。また、クラウド型CADを導入する際は、既存の業務システムとの互換性、API連携の有無、主要なファイル形式の対応状況を確認しておくことがおすすめです。特に、複数の部門で設計データを共有する企業では、連携のしやすさが作業効率に大きな影響を与えるため、クラウド型CADを選ぶ際には必ずチェックしておきましょう。

セキュリティ・データ管理体制を確認する

クラウド型の最大の利点の一つは、どこからでもアクセスできることですが、それと引き換えにデータの安全性が課題になります。企業の設計データは知的財産であり、万が一漏洩すれば企業は大きな被害を受けることになるため、製品のセキュリティ対策を事前に確認することは必須です。

具体的には、通信の暗号化、アクセス制御、操作ログの記録、バックアップ体制などが整っているかをチェックしましょう。また、複数のプロジェクトやクライアントとデータを共有する場合は、ユーザー権限の細かな設定が可能かどうかもひとつのポイントです。

まとめ

今回は、クラウド型CADのメリット・デメリットについて紹介しました。クラウド型CADは初期費用を抑えられるという点がメリットですが、一方でランニングコストがかかるといったデメリットも存在します。そのため、導入を検討する際にコストがネックになっている方も少なくないでしょう。そのような企業はCADジャンクションを利用するのがおすすめです。

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