3DCADを導入する際には、知っておきたいポイントがいくつかあります。その中でも特に重視したいポイントが、PCのスペックです。
3DCADは通常のCADよりも重いデータを扱うことがほとんどであり、低いスペックのPCを選んでしまうと、思い通りに動作できないことにもなりかねません。
そのため、これから3DCADを導入しようと検討している方は、まずPCのスペックが問題ないかの確認をすることが大切です。
本記事では、3DCADにおすすめのPCのスペックについて解説します。デスクトップのみならず、ノートパソコンでの活用の有無についても紹介するので、気になっている方はぜひ参考にしてください。
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3DCADはノートパソコンでも使える?

3DCADに対応できるPCは、デスクトップを思い浮かべる方がほとんどでしょう。しかし、スペックさえ問題なければノートパソコンでも使うことが可能です。
ノートパソコンと言っても幅広い種類がありますが、一般的なものではなく、ワークステーションと呼ばれる高いスペックのものが必要です。
また、ワークステーションと言ってもそれぞれでスペックが異なるので、3DCADに対応しているものを選ぶ必要があります。
下記の見出しからは具体的に必要なスペックから、ノートパソコンを選ぶ際に知っておきたいポイント、メリットやデメリットまで詳しく紹介しているので、選び方について詳しく知りたい方はそちらを参考にしてください。
通常のCADと3DCADの違い

PCのスペックの選び方は、CADを扱うのか、それとも3DCADを扱うのかで変わってきます。
下記では、通常のCADと3DCADの違いについて、スペックと性能の面から紹介しているので参考にしてください。
パソコンの要求スペックの違い
通常のCADは、2D(平面)の設計や図面作成が主な用途です。そのため、PCに対する負荷が比較的軽い特徴を持っているため、特別な性能がなくても動作します。具体的な要求スペックについては、下記で紹介しているのでそちらを参考にしてください。
【通常のCADの要求スペック】
CPU(プロセッサ) | Intel Core i5やAMD Ryzen 5などの一般オフィス用PCに搭載されているCUP |
メモリ | 8GB程度 |
GPU(グラフィックボード) | 高度なグラフィック処理を行わないため、内臓グラフィックでも動作可能 |
3DCADは、3D(立体)の設計やシミュレーションを行うため、通常のCADに比べて高い性能のスペックが必要です。下記に要求スペック表を掲載しているので、参考にしてください。
【3DCADの要求スペック】
CPU(プロセッサ) | 高速な処理能力を持つIntel Core i7以上やAMD Ryzen 7以上がおすすめです。3DCADは大量のデータを計算するため、高性能なCPUが必要。 |
メモリ | 16GB以上が推奨 |
GPU(グラフィックボード) | NVIDIA QuadroやGeForce RTXシリーズなどの専用グラフィックボードが必要です。特に、大規模な3D設計やアニメーション処理を行う場合には、GPUの性能が動作速度に大きく影響する |
性能面の違い
ここでは、通常のCADと3DCADの性能面の違いを紹介します。下記にわかりやすいようにリスト形式で比較していますので、参考にしてください。
【通常のCAD】
- 2Dで図形や線を描くのが主な機能。軽快に動作しやすい。
- 設計図を作る時間が短く、初めての人でも取り組みやすい。
【3DCADの要求スペック】
- 実際の立体を再現するため、細部まで設計可能。
- シミュレーション機能が充実しており、部品の動きや組み立ての確認ができる。
- 高度な機能を使うためにPCの処理能力が重要。
3DCADをストレスフリーで操作するためのPCスペックは?

3DCADをストレスフリーで操作するためのPCは、簡単に説明すると必要なスペックを備えているかどうかがポイントです。先ほども紹介した通り、3DCADは高度な機能を使うためにPCの処理能力が重要です。
下記では、3DCADをストレスフリーで操作するために必要な基本スペックを紹介しています。ノートパソコンの場合は、基本スペックとは別に、追加しておきたいポイントが2つありますので、そちらも参考にしてください。
基本スペック
3DCADをストレスフリーで操作するためには、下記5つの項目を参考にし、推奨とされているスペック以上のものを選ぶようにしましょう。
【3DCADをストレスフリーで操作するための基本スペック】
CPU | Intel Core i7(13世代以上)やAMD Ryzen 7以上(処理速度重視)。 |
メモリ | 16GB以上。大規模な設計に携わる場合は、32GB以上が推奨。 |
GPU | NVIDIA RTXシリーズ(RTX 3060以上)や専用のプロ向けグラフィックボード(NVIDIA Quadro)。 |
ストレージ | SSD 512GB以上。設計データは大きくなるため、できる限り余裕を持ったストレージがおすすめ。 |
ディスプレイ | フルHD以上の解像度で可能なら4K対応がおすすめ。 |
ノートパソコンの場合は重要なポイントが2つある
上述では3DCADをストレスフリーで操作するために必要な基本スペックを紹介しました。基本的にはデスクトップ、ノートパソコン共通の内容となっていますが、ノートパソコンを選ぶ際には追加で下記2つのポイントを重視すると良いでしょう。
【ノートパソコンで重視したい2つのポイント】
放熱性能 | 高負荷作業では熱がこもりやすいので、高い冷却性能が必要。 |
ポータビリティ | 軽量で持ち運びやすいサイズが |
3DCADにノートパソコンを選ぶ際のメリット

3DCADにノートパソコンを選択しようと考えている方向けに、2つのメリットを下記で紹介しているので参考にしてください。
持ち運びがしやすい
デスクトップパソコンとの最大の違いは、持ち運びがしやすい点です。ノートパソコンは携帯性に優れており、カバンに入れて持ち運ぶことができます。
例えば外出先や現場での作業が必要な人にとっては、ノートパソコンを選択すると便利に感じるでしょう。また、クライアントとの打ち合わせや、プレゼンなどでもノートパソコンはすぐに持ち運べるため、紙の資料や設計モデルの資料を印刷して持ち運ぶ必要もありません。
持ち運びやすさを重視している方にとっては、デスクトップよりもノートパソコンを選択した方がより多くのメリットを感じられるでしょう。
省スペースで設置可能
ノートパソコンは一体型のデザインで、デスクトップのように別途モニターやキーボード、タワー型の本体を設置する必要がありません。そのため、作業スペースが限られている場合や、移動しながら使いたい場合にも最適です。
デスクトップパソコンとは異なり、どのようなスペースであってもストレスフリーで作業に取り組める点が大きなメリットとなります。
3DCADにノートパソコンを選ぶ際のデメリット
3DCADにノートパソコンを選ぶ際には、メリットがある反面、デメリットに感じられる部分もあります。下記では2つのデメリットについて紹介するので、そちらも参考にしてください。
冷却性能が劣る
ノートパソコンは、基本的には薄型設計のものが多く、冷却性能がデスクトップに比べて劣る傾向にあります。特に3DCADとなると、負荷は大きな作業となり、さらに長時間行うとなると内部が高温になり、性能が低下する熱暴走を引き起こすことがあります。
熱暴走を引き起こすと動作が遅くなるだけではなく、内部部品の寿命も短くなるリスクもあります。そのため、3DCADで長時間の作業を行う場合には、デスクトップを選択するか、冷却ファン付きのパッドやクーラーなどの補助機器を併用するなど工夫をする必要があります。
性能面でもデスクトップに劣る可能性
同じ価格帯で比較した場合、ノートパソコンはデスクトップより性能が劣ることが一般的です。
特に、高性能なCPUやGPUを搭載する場合、ノートパソコンではコストが高くなりやすく、コストパフォーマンスが低くなることがあります。
また、ノートパソコンは構造上、部品の交換やアップグレードが難しいため、将来的にスペックを向上させたい場合にも制約があるといったデメリットがあります。
3DCADにデスクトップパソコンを選ぶ際のメリット

最後に、3DCADにデスクトップパソコンを選ぶ際のメリットとデメリットを紹介します。デスクトップを選択しようと考えている方は参考にしてください。
高性能でコストパフォーマンスが良い
デスクトップパソコンは、同じ価格帯で比較した場合、ノートパソコンよりも高い性能を持っているものが多いです。
特に、CPUやGPUなどの部品の性能が高く、大容量のメモリやストレージを搭載できる点も魅力的です。
これらの特徴から、3DCADなどの高負荷な作業を行う場合には、最も適したPCと言えます。
熱暴走を防ぎ重くなりにくい
デスクトップはケースのサイズが大きく、強力な冷却ファンや液冷システムを搭載しやすく、長時間の高負荷作業を行っても、内部温度を安定に保つことができます。
これにより、PCの動作が遅くなる熱暴走を防ぎ、長時間の作業でも動作が重くなりにくいメリットがあります。
ちょっとした軽作業であればノートパソコンでも問題ありませんが、長時間の作業シーンをイメージしている場合は、デスクトップパソコンがおすすめでしょう。
3DCADにデスクトップパソコンを選ぶ際のデメリット
3DCADにデスクトップパソコンを選ぶ際のデメリットは、下記の2つです。
持ち運びができない
ノートパソコンとは異なり、デスクトップパソコンは持ち運びができません。基本的には設置場所が固定されているため、外出先や現場での作業には不向きと言えるでしょう。
そのため、特定の場所のみで作業する場合はデスクトップを、外出や現場での作業が多い場合はノートパソコンを選択するなど、使用シーンによって選び方を変えると良いでしょう。
スペースが必要になる
デスクトップパソコンは、本体に加えて、モニター、キーボード、マウスなどの周辺機器が必要なため、設置に広いスペースが必要です。
さらにデスクや作業台などを用意する必要もあるため、限られたスペースしかない場合には設置が難しいケースもあります。
まとめ
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また、おすすめのソフトも3つ紹介しましたが、それぞれで機能等も異なるため、参考にしながら自社に適したソフトを導入してください。
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