i-CADは、製造業や機械設計の現場で広く利用されている国産のCADソフトです。高度な機能でありながら使いやすさにも優れていることから多くのユーザーから支持を集めています。人気の高いCADソフトとなっておりますので、これから導入をしようか迷われている方も多いでしょう。
本記事では、そもそもi-CADとはどんなソフトウェアなのか、概要や特徴について紹介します。i-CADに興味がある方にとっておすすめの内容となっているので、ぜひ参考にしてください。
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i-CADとは
i-CAD(アイキャド)とは、富士通が開発した3DCADソフトウェアで、主に機械や製品の設計に使われています。活用することで立体的なデザインをコンピュータ上で作成し、さまざまな角度から確認することができるため、より精密な設計に向いているCADソフトとなっています。
具体的にi-CADの内部構造には、空間領域構成法であるCSGデータを持っているため、コンピュータ上での設計が高速です。300万部品を0.2秒で処理するスピードを持っており、10,000部品であってもわずか5秒で完了します。これらのことから部品点数が多い製品に最も向いているCADソフトとなっており、特に大規模アセンブリ・機械設計に最適です。
i-CADの特徴
ここからは、i-CADが選ばれている4つの特徴についてご紹介します。導入を検討している方の中で、どのような特徴があるのか詳しく知りたい方は参考にしてください。
機械設計に最適な3DCAD
i-CADは、機械設計に最適な3DCADとして人気を集めています。
機械設計では、部品点数が膨大なアセンブリの中で周囲の取り合いを確認しながら進めていくため、できる限りデータを軽く扱えるものや、速く扱えることが使いやすい条件の一つとなります。
これらの条件に当てはまるのがi-CADとなっており、軽さや速さにこだわって設計されているCADソフトウェアです。具体的には300万部品を0.2秒で扱う超軽量・超高性能を実現しており、この基準を満たしているのは国産CADの中でもi-CAD のみです。
これらの特徴を持っているため、特に大規模な設計データを軽く、速く扱えるCADソフトウェアを探しているならi-CADがおすすめです。
直感的で使いやすい操作性
i-CADは、機械設計者が操作しやすいCADを目指して開発されたソフトウェアです。設計者の手になじむ操作性を重視しており、特に注目すべきポイントとしてあげられるのが、i-CADが採用している形状認識に特化した独自の表現方式です。これは、設計者が意図したデザインを瞬時に具現化でき、設計者が考えたデザインをスムーズにコンピュータ上で再現することが可能です。
さらに、形状の編集が直感的に行えることも特徴の一つとなっており、まるで実際の物体を手で触っているかのような感覚で形状を直接操作・編集することが可能です。これにより、細かな部分の修正やデザインの調整も容易になるため、設計者の作業を助ける操作性に優れたCADソフトウェアと言えます。
その他にもi-CADは、編集対象の切り替えや履歴、拘束条件に縛られることなく作業ができる特徴も持っています。縛られることなく作業が可能になることは、効率的に設計を進めるために重要な要素となり、例えばアセンブリファイル上ですべての形状を直接作成・編集することも可能です。これにより、個々の部品を別々に編集する必要がなくなりますので、一つの画面上で全体のデザインを一貫して行えるようになるメリットがあります。
このようにi-CADは、設計者の意図を正確かつ迅速に反映できる数少ないCADソフトウェアとなっているため、特に機械設計者から選ばれています。
構想検討から制御デバックまで実機レスで機械動作を検討・検証できる
i-CADは、機械の動作を設計・検証する際に便利なツールです。設計の初期段階から機械の動作やタイミングを3Dデータに直接入力することができ、部品の形状と動作タイミングを同時並行で検討できます。
また、i-CADは実際の制御プログラムと連携することも可能です。連携することで実際の機械を使わずに3Dデータを活用して動作のデバックが可能になります。そして、電気・制御設計者は、機械設計者が決めた動作情報をそのまま利用できるため、異なる部門間での協力がスムーズに行えます。これにより、機械の動作を一つのCADデータで検討・検証することが可能になります。
作業時間を大幅に短縮できる図面作成機能
i-CADは、3DCADソフトでありながら、図面作成機能も充実しています。3Dモデルから直接図面を作るだけではなく、機械設計に特有の複雑な図面も簡単に作成することができます。
例えば、大きな機械や装置の設計図を作成する場合でも、3Dモデルからすぐに図面を作成し、必要に応じて簡単に更新することができます。これまでのような手動で図面を作成するといった作業がなくなるため、大幅に時間を短縮することが可能になります。
IT導入補助金を用いてCADを導入する方法に関しましては、以下の記事で詳しく解説していますので、よろしければご覧ください。
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i-CADの機能
下記の表では、i-CADの機能についてまとめています。i-CADで具体的に何ができるのか、機能を知りたい方は参考にしてください。
機能 | 詳細 |
高度な3Dモデリング | 複雑な形状や部品の設計が可能で、リアルタイムにモデルを視覚化できます。 |
直感的な操作 | マウスやキーボードを使って簡単に操作でき、形状の編集もスムーズです。 |
自動図面生成 | 3Dモデルから直接図面を生成できるため、手動で図面を描く手間が省けます。 |
機械設計特化 | 機械設計に特有の複雑な図面も簡単に作成できます。 |
大規模アセンブリ対応 | 大きな機械や装置の設計図も瞬時に作成・更新することが可能です。 |
動作情報入力 | 構想検討から機構やストローク、タイミングなどの動作情報を直接3Dデータへ入力可能。 |
制御プログラム連携 | 実際の制御プログラムと連携し、3Dデータを使ったシミュレーションが可能です。 |
仮想デバッグ | 実際の機械を使わずに、3Dデータを活用して動作のデバッグが可能です。 |
部門間連携 | 電気・制御設計者がメカ設計者の決めた動作情報をそのまま活用でき、部門間での効率的な検討・検証ができます。 |
他ソフトウェアとの連携 | 他のCADソフトウェアとのデータ互換性が高く、インポート・エクスポートが容易です。 |
ユーザーのニーズに応じたカスタマイズ | 特定の業務プロセスに適した設定やツールの追加が可能です。 |
高速処理 | 高性能なエンジンにより、複雑な計算やレンダリングも迅速に行えます。 |
i-CADの価格
ここからは、i-CADの価格について紹介します。
i-CAD SXのベースモジュールである3次元2次元モジュールのスタンダード版は、ローカルライセンスで1,518,000円、ネットワークライセンスでは1,903,000円です。
一方、3次元2次元モジュールのプロフェッショナル版は、ローカルライセンスが1,848,000円、ネットワークライセンスが2,310,000円です。
i-CADの中でも種類によって料金は異なるので、選ぶ際にはどの製品が自社とマッチするのか検討しながら選ぶことで失敗を減らせるでしょう。
i-CADとよく比べられるソフトとの比較
i-CADとよく比較されるソフトの中には、「Fusion 360」と「Solidworks」があります。それぞれのソフトとの比較も下記の見出しでしていますので、3つのソフトと比べながら導入したいと思われている方は参考にしてください。
Fusion 360
Fusion 360は、操作性に優れたCADソフトとして知られており、CADに触れ始めたばかりの初心者でも視覚的に使いやすいことで人気を集めています。
また、Fusion 360はフリーフォームモデリングを使用しているため、形状の具現化が素早いソフトです。
費用としてはi-CADと比べてそれほど大きな違いはありません。若干ではありますが、i-CADよりも少し安い程度なので、料金以外のポイントで比較をして判断すると良いでしょう。
Solidworks
i-CADとよく比較されるソフトとして、もう一つはSolidworksがあげられます。SolidworksもCADソフトの中では人気が高く、多くの設計者が活用しています。
Solidworksは汎用性の高さが人気を集めている理由の一つとなっており、さまざまな3Dデータを取り込めるのが最大のメリットです。
また、初心者でも使いやすいソフトとしても知られており、例えば操作方法などで困ったときは、ナレッジベースへのアクセスが年中無休でできるため、いつでも相談しながら解消していけるのが魅力の一つとなっています。
機能や操作性については、i-CADとSolidworksはどちらも優れており、どちらを選択しても大きな後悔はないでしょう。しかし、デメリットとしてはSolidworksの価格があげられます。i-CADと比べて高価な価格が設定されているため、費用を抑えたいと思われている方にとってはデメリットの部分に感じるでしょう。
SOLIDWORKSの概要に関しましては、以下の記事で詳しく解説していますので、よろしければご覧下さい。
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i-CADを安く導入する方法とは?
ここまでi-CADの概要からメリット、他のソフトとの比較について紹介しましたが、CADソフトの懸念点としてはやはりコストの高さがあげられます。数百万円を超えるソフトもあるなど、「もう少し費用が抑えられれば」と思われている方も多いかと思います。
このような悩みを持たれている方の中には、予算が合わずに導入を諦めてしまうケースもあるかもしれませんが、今なら補助金を活用することでi-CADを安く導入することが可能です。
補助金としては具体的にIT導入補助金があり、活用することでi-CADの導入にかかるコストを最大で半額程度に抑えることができます。半額で導入ができれば大幅にコストの負担を抑えられるため、活用しない手はありません。
そして、CADジャンクションでは、補助金を活用してCADソフトの導入を検討されている方向けに、CADソフトの提案から補助金申請のサポートまで幅広く支援しています。補助金を初めて申請する方でもスムーズに活用ができますので、できる限り安く導入をしたいと考えている方は、ぜひIT導入補助金の活用を検討してください。
まとめ
今回はi-CADの概要からメリット、製品の比較について紹介しました。操作性に優れており、特に機械設計に最適な3DCADとして注目を集めている製品となっておりますので、機械設計に活用できるCADソフトをお探しの方は、ぜひ導入を検討してください。
補助金を活用することで通常の半額でCADを導入することができます。CADジャンクションでは、IT導入補助金の申請手続き、導入支援、採択後の実績報告といった面倒な手続きを一括してお引き受けしております。
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